(限界にっぽん)第4部・続「追い出し部屋」:5 「全力で支援、なんてうそだ」より抜粋
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「部長(面談者)の心得」と題した「極秘/コピー厳禁」のマニュアルには、企業が早期退職募集をする際の個別説明の注意事項や想定問答の詳細などがびっしり並ぶ。
社員を「残留者」「本人選択」「退職候補者」の3段階に色分けし、「退職候補者」には、「社外での活躍を促す」と明記している。「面談の留意事項」では、▽必要事項の伝達は5~10分程度で一気に伝える▽威圧的な態度や乱暴な言葉遣いを避け、淡々と進める▽「申し訳ないけれど」といった感情的な言葉は漏らさない――とある。
「解雇 クビ やめろ やめてくれ」は「面接で絶対言ってはいけないこと」。想定問答では、再就職支援会社を「会社代わりに使える」などと強く繰り返し勧める、という「答え」も用意されている。
「企業は余剰人員を社内や子会社で抱える余裕がなくなり、外部の人材会社の力を借りざるを得なくなった。やめさせたい人に、研修などの名目でプログラムを受けさせる企業もある。会社に残るのをいかにあきらめさせるかも、人材会社の重要な仕事。企業側もそこを期待している。恨まれるのも仕事のうちだ」と業界の関係者はいう。
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